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重要文化財

国立国会図書館では以下の6点の国指定重要文化財を所蔵している。(指定年代順)

タイトル その他の書誌事項 指定年代 No.
天台山記てんだいさんき (唐)徐霊府撰 〔平安時代後期〕写 1冊 25.5×15.5cm 昭和30年指定 <WA1-2>
満済准后日記まんさいじゅごうにっき 満済自筆 応永18-29(1411-22)写 11軸 縦32.0cm 昭和31年指定 <WA1-1>
姓解せいかい 3卷 (宋)邵思撰 〔景祐年間(1034-37)〕刊 3冊 28.2×17.2cm 昭和31年指定 <WA1-3>
銘尽めいづくし 応永30(1423)写 1冊 27.5×21.0cm 昭和43年指定 <WA1-4>
師守記もろもりき 中原師守自筆 暦応2-応安7 (1339-74) 64軸 縦27.0-30.9cm 平成16年指定 <WA1-5>
宗家文書そうけもんじょ〕(対馬宗家倭館関係資料) 〔江戸時代前期-明治時代初期〕写 1,593冊 平成19年指定 <WA1-6-1~40>

今回の展示では、この中から最近指定された『師守記』と「宗家文書」を紹介する。

76 師守記 もろもりき

  • 中原師守自筆 暦応2-応安7(1339-74) 64軸 縦27.0-30.9cm <WA1-5>

南北朝時代の北朝方の官人中原師守なかはらもろもり(生没年未詳)の日記。書状、具注暦ぐちゅうれき、仮名暦の裏や、暦の余白、欄外などに記されている。兄師茂もろしげを中心とした記述のためか、『師茂記』と呼ばれていたこともある。師守は北朝方にあって、大炊頭おおいのかみ雅楽頭うたのかみ少外記しょうげきなどを務めた。朝廷の儀式や公事、所領等の記事の他に、後醍醐天皇の崩御(暦応2年8月)や将軍足利尊氏らが見物した橋勧進田楽(貞和5年6月。掲出個所)についてなど、当時の政治、軍事、社会の情況が豊富に記されており、当代一級の史料である。

具注暦
日の干支、吉凶等の暦注を詳しく記した暦。朝廷で作成され公家等に頒布。平安時代中期からは、行間や紙背に日記を書くことも行われた。

宗家文書そうけもんじょ

対馬藩主宗家に伝わった文書である。宗家は、室町時代から江戸時代にかけて朝鮮との外交実務・貿易に携わり、職務遂行の必要から大量の記録・文書を作成、主に対馬藩庁、江戸藩邸、倭館わかんで保管していた。当館が所蔵する1,593点の資料の大部分は倭館で保管していたもので、倭館の館守の執務記録である『館守日記かんしゅにっき』『毎日記まいにちき』、外交交渉官の記録『裁判記録さいはんきろく』などがあり、当館ではこれらを「宗家文書」と総称している。倭館とは、朝鮮にあった日本人居留地域で、日本からの使者の応接所、貿易所などが設営され、江戸時代には釜山に置かれていた。
「宗家文書」は近世の日朝関係や倭館の実情を研究する上で重要な学術資料であり、平成19年に「対馬宗家倭館関係資料」として重要文化財に指定された。
宗家の記録・文書類は当館のほか、長崎県立対馬歴史民俗資料館、九州国立博物館、東京大学史料編纂所、慶應義塾図書館、大韓民国国史編纂委員会などで所蔵している。

77 〔宗家文書〕 そうけもんじょ (対馬宗家倭館関係資料)

  • 〔江戸時代前期-明治時代初期〕写 1,593冊 <WA1-6-1~40>

「宗家文書」の中心となるのは『館守日記』『毎日記』である。館務に関わる事項や、気象、船の出入り、日々の出来事などの記録が、貞享4年(1687)から明治3年(1870)までほぼ連続して残されている。展示個所は『毎日記』(第361冊)の明和8年(1771年)3月23日。倭館に虎が2頭立ち入ったので鉄砲で撃ちとめ、1頭は塩漬けにし、もう1頭は頭と皮を日本に送ったこと、残りの肉は館内で食したことなど、捕物の様子が記されている。