資料と解説・第3章 GHQ草案と日本政府の対応
3-20 日本国憲法「3月2日案」の起草と提出
1946(昭和21)年2月26日の閣議で、GHQ草案に基づいて日本政府側の案を起草し、3月11日を期限としてGHQに提出することが決定された。松本烝治国務大臣は、佐藤達夫法制局第一部長を助手に指名し、入江俊郎法制局次長にも参画を求めるとともに、自ら第1章(天皇)、第2章(戦争ノ廃止)、第4章(国会)、第5章(内閣)の「モデル案」を執筆した。
他方、松本から起草の下命を受けた佐藤は、随時、入江と協議しながら、総理大臣官邸の一室で極秘のうちに作業を行い、松本の起草した「モデル案」の第1章、第2章に佐藤の起草した第3章以下(第4章、第5章を除く)を加えて、2月28日に「初稿」を完成させた。初稿には、同日、松本と入江、佐藤との打ち合わせの結果訂正が加えられ、それに「モデル案」の第4章、第5章を加えて、「第二稿」となった。3月1日、二回目の打ち合わせが行われ、第二稿にさらに訂正が加えられた。
この間何度か、GHQから日本案を至急提出するよう促されたため、急いで案文を整理し(3月2日案)、3月4日午前、松本と佐藤がGHQ民政局に提出した。この時同時に、松本の作成した「説明書」も提出した。GHQへの提出が3月11日の期限よりも早まったため英訳が間に合わず、案文と「説明書」は、日本文のままであった。
資料名 |
憲法改正案 原稿 |
年月日 |
[昭和21年2月] |
資料番号 |
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所蔵 |
東京大学法学部法制史資料室松本文書 |
原所蔵 |
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注記 |
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資料名 |
初稿 |
年月日 |
昭和21年2月28日 |
資料番号 |
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所蔵 |
国立公文書館 |
原所蔵 |
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注記 |
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資料名 |
日本國憲法 |
年月日 |
[昭和21年3月1日] |
資料番号 |
入江俊郎文書 15(「三月六日発表憲法改正草案要綱」の内) |
所蔵 |
国立国会図書館 |
原所蔵 |
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注記 |
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資料名 |
日本國憲法 |
年月日 |
昭和21年3月2日 |
資料番号 |
入江俊郎文書 15(「三月六日発表憲法改正草案要綱」の内) |
所蔵 |
国立国会図書館 |
原所蔵 |
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注記 |
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資料名 |
説明書 |
年月日 |
[1946年3月4日] |
資料番号 |
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所蔵 |
東京大学法学部法制史資料室松本文書 |
原所蔵 |
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注記 |
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