第31回 関西館資料展示「左手をご覧ください!-左利きというまなざしで、見えてくる風景-」
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ちらし(PDF: 350KB)
朝起きて寝室のドアノブを時計回りに回し、出かける前に腕時計を左腕につけ、自販機にお金を入れ、駅の改札を通り、サイドテーブルのついた椅子に座って、横書きのノートにメモを取り、パソコンのマウスを握り、カウンター席で友人と並んで昼食を取る。このありふれた日常は、左利きの人と右利きの人では見える風景が違います。「左利き」というまなざしから見ると、右利きを前提にデザインされたものの多さに気が付き、見えてくる景色があるのではないでしょうか。左利きという身近な個性について、そして利き手に関わらず誰もが暮らしやすい社会について、この機会に考えてみませんか?
左利きに関する本や雑誌など約70点を、歴史、科学、社会等の切り口から紹介します。
また、関連イベントとして、山下光氏(関西福祉科学大学教育学部教育学科長・教授)による講演会「左利きの科学と社会~多様性と共生について考える~」も実施します。ぜひご聴講ください。
主な展示資料紹介
※【 】内は当館請求記号第1章 左利きをめぐる歴史
- 神々の左手 : 世界を変えた左利きたちの歴史 / エド・ライト 著 , ricorico [訳]. スタジオタッククリエイティブ, 2009.6 【GK11-J64】
- アレクサンダー大王、レオナルド・ダ・ヴィンチ、アイザック・ニュートン、ナポレオン・ボナパルト、ベートーベン、マーク・トウェイン、ベーブ・ルース、ビル・ゲイツなど、古代から現代における、左利きであるとされる人物について、それぞれの生い立ち、人となり、業績などを解説しています。写真、作品、肖像画も多数掲載しています。
- 見えざる左手 : ものいわぬ社会制度への提言 / 大路直哉 著. 三五館, 1998.10【SC71-G177】
- 右利き社会において、左利きの人がどのように生きてきたか、どのような存在であったかの説明から始まり、次に、宗教の世界で左手と右手が何を象徴してきたかや、箸づかいと利き手のとらえ方の変遷などについても考察しています。最後に、左利きの未来はどうあるべきかについて提言しています。また、付録の形式で、左利きの人のための書道の筆法、左利き向けの商品、左利きの人々の団体を紹介しています。ちなみに、著者は展示資料の出版後に、日本左利き協会を発足した。
第2章 利きとはなにか
- 左対右きき手大研究 / 八田武志 著. 化学同人,2008.7 【SC71-J47】
- 平成19(2007)年時点までの利き手研究を、様々な疑問に答える形で紹介しており、利き手に関する知識を包括的に得ることができる一冊。第1章から3章では「左ききは器用?」「左ききは短命?」といった巷の種々の俗説の真偽を検証しており、第4章以降は、「きき手の決め方」、「なぜ右ききが多いのか」、「動物にもきき手はあるのか」といった興味深い疑問に対して、諸説とそれらに対する考察を述べています。著者は、左右脳研究を数多く行ってきた神経心理学者で、日本人に適した利き手テスト「H.N利き手テスト」の考案者でもあります。
- 左きき学 : その脳と心のメカニズム / ジーニー・ヘロン 編集, 近藤喜代太郎, 杉下守弘 監訳. 西村書店, 1983.6【SC71-304】
- 神経心理学者のJ.ヘロン博士ら18人の研究者が、それまでの左利きに関する研究史や自身の研究成果をまとめていた一冊。右利きの人と比較した左利きの人の脳の構造や能力の違いを調べた研究、障害者や双子に左利きが多いとすることの原因を調査した研究、左利きとなる要因を考察した研究など、左利きについての本格的な研究が多数紹介されています。
第3章 左利きをめぐる現在
- ユニバーサルデザイン事例集100 / 日経デザイン 編. 日経BP社, 2004.10 【DH415-H44】
- 代表的なユニバーサルデザイン製品100点の開発ストーリーと、PPP(Product Performance Program)と呼ばれるユニバーサルデザインの達成度の評価基準を用いた検証結果を紹介しています。平成16(2004)年刊行の本ですが、現在でも日常生活でよく目にする商品も多数掲載されており、誰もが使いやすい製品は時代を経ても使われ続ける名品となりうることがうかがえます。
日時 |
2023年 9月21日(木) ~10月17日(火) 9時30分~18時00分 ※日曜・祝日を除く |
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会場 | 国立国会図書館 関西館 地下1階 総合閲覧室 |
参加費 | 無料 |
お問い合わせ先 | 電話:0774-98-1341 (関西館資料案内 9時30分~17時00分) |