【参考】メタデータ関連用語集
メタデータに関連する用語集です。当該用語集内にリンクする用語については、アスタリスク(*)を付記しています。
DCMIメタデータ語彙(DCMI Metadata Terms)
DCMI*が定める、ダブリンコアメタデータ基本記述要素集合(DCMES: The Dublin Core Metadata Element Set)*と55個のプロパティ*等から成るメタデータ語彙集です。
各プロパティに記述対象の範囲を指定する定義域* 、値の範囲を指定する値域*を設定したほか、プロパティに加えて、値の属する統制語彙(分類表、シソーラス等)を指定する「語彙符号化スキーム*」9個、値の記述形式を示す「構文符号化スキーム*」12個、共通する特性を有する要素をグループ化するためのカテゴリーを示す「クラス*」22個、情報資源のタイプを示す「DCMIタイプ語彙」12個をそれぞれ定義しています。
セマンティックウェブ環境における自動処理で必要とされる、より厳密で精緻なメタデータ記述を可能にする語彙として、2008年に公開されました。現在、DCMES自体は旧式の語彙(レガシー)の扱いとされ、このDCMIメタデータ語彙の使用が推奨されています。
DCMI抽象モデル(DCMI Abstract Model)
セマンティックウェブ*におけるメタデータの表現方法としてW3C(World Wide Web Consortium)により規格化されているRDF*のモデルをもとに、ダブリンコアメタデータの概念的な構造を示したものです。
FOAF(Friend of a Friend)
RDF*を用いて、人に関する情報と人々のつながりを公開・共有するための語彙集です。
Linked Data/Linked Open Data
Linked Dataは、個々のデータや概念に対しURI*を与え、RDF*等のコンピュータ処理に適した形式で公開し、相互にリンク付けを行うことによって、ウェブ上でのデータの共有・利用を促進するための技術の総称です。Linked Dataを説明するものとして、WWWの創始者であるティム・バーナーズ・リーが2006年に提唱したLinked Dataの4原則が有名です。
- 事物の名前としてURIを用いること
- これらの名前を参照できるように、HTTP URIを用いること
- URIを参照したときに、RDFやSPARQLのような標準技術を用いて、有用な情報を提供できるようにすること
- さらに多くの事物を発見できるように、他のURIへのリンクを含むこと
こうした技術によって結びついて作られるデータの集合をLinked Dataと呼称することもあります。
Linked Open Data は、上記のLinked Dataの要件に加えて、データが法的にオープンであり、いかなる目的においても各人によって利用可能であることを含意するとされています。
国立国会図書館では、保有する各種のデータをLinked Open Dataとして提供しています。詳しくは、以下のページをご覧ください。
- リンクトオープンデータ(Linked Open Data: LOD)
リンクトオープンデータの概要と、利用に関する情報を紹介しています。 - リンクトオープンデータ(LOD)の活用
活用事例や活用可能性を紹介しています。
OWL(Web Ontology Language)
ウェブに存在するものごとの分類体系及びその関係、さらにそれを推論していくためのルールを定義するオントロジー言語。
RDF(Resource Description Framework)
セマンティックウェブ*におけるメタデータの標準的な表現方法。W3Cにより規格化されています。RDFでは、主語(Subject)・述語(Predicate)・目的語(Object)のトリプルから成る文(ステートメント)を組み合わせることにより、メタデータの記述を行います。
RDFスキーマ(RDF Schema)
URI(Uniform Resource Identifier)
ウェブ上のリソース(情報資源)*を一意に表わすための識別子。
SPARQL
RDF*で記述されたデータを検索・操作するためのコンピュータ言語。
値(Value)
アプリケーションプロファイル(Application Profile)
ダブリンコア*では、メタデータの記述にどのような語彙*を使用し、その語彙を用いてどのような形式で記述するかを定義したメタデータの記述規則をアプリケーションプロファイルと呼んでいます。
アプリケーションプロファイルは、シンガポールフレームワーク*によりモデル化されており、要求される機能を定義する「機能要件」、記述対象となる実体間の関係性を定義する「ドメインモデル」、使用する語彙や値形式等のメタデータレコードの構造制約を規定する「記述セットプロファイル」、語彙の使用法についての指針を示す「利用ガイドライン」、符号化方式を示す「構文ガイドライン・データフォーマット」の5つの要素により構成されます。
基本記述要素集合(Element Set)
メタデータ記述に使用する語彙*を集めたもの。
クラス(Class)
共通の特徴を持つリソース*のグループに名前をつけて表現するもの。たとえば「テキスト」「画像」「動画」など。
語彙(Term)
メタデータ記述に使用する要素。国立国会図書館ダブリンコアメタデータ記述(DC-NDL)では、プロパティ*、クラス*、語彙符号化スキーム*あるいは構文符号化スキーム*のいずれかをとります。
語彙符号化スキーム(Vocabulary Encoding Scheme)
メタデータを構成する一要素となる、リソース*を列挙したセット。メタデータ記述に統制語彙(辞書・コード表等の項目)を取り入れる際に用います。
構文符号化スキーム(Syntax Encoding Scheme)
メタデータを構成する一要素となる、文字列とリソース*間のマッピング方法を示したルールのセット。マッピングのルールは、どのようにその文字列が構成されるか(例:DCMI Box)、またはどのように文字列やリソースを列挙するか(例:ISO3166)を定義します。国立国会図書館ダブリンコアメタデータ記述(DC-NDL)では、メタデータの記述形式を規定するのに使用します。
シンガポールフレームワーク(Singapore Framework)
個々のメタデータ作成・提供機関がアプリケーションプロファイル*を策定する際に依拠すべき枠組みとして、ダブリンコアが提唱しているものです。
フレームワーク全体は、「アプリケーションプロファイル」「ドメイン標準」「基盤的標準」の3つの層で構成されています。この枠組みによると、アプリケーションプロファイルは、要求される機能を定義する「機能要件」、記述対象となる実体間の関係性を定義する「ドメインモデル」、使用する語彙や値形式等のメタデータレコードの構造制約を規定する「記述セットプロファイル」、語彙の使用法についての指針を示す「利用ガイドライン」、符号化方式を示す「構文ガイドライン・データフォーマット」の5つの要素により構成されます。
セマンティックウェブ(Semantic Web)
ウェブ上の情報資源の検索や活用をより効果的に行うため、情報資源に意味の明確なデータを付与し、機械的な意味処理を目指す構想です。情報資源に付与するデータの標準的な表現方法として、RDF*が使用されています。
ダブリンコア(Dublin Core)
ウェブ上の情報資源のメタデータ記述に標準的に使用される語彙の通称。ダブリンコアと呼ばれるメタデータ語彙には、主要な15タームを定義したダブリンコアメタデータ基本記述要素集合*、55の記述要素(プロパティ)等を定義したDCMIメタデータ語彙*があります。
ダブリンコアメタデータイニシアチブ(DCMI: Dublin Core Metadata Initiative)
ウェブ上の情報資源を記述するための国際的なメタデータ標準であるダブリンコア*の維持管理団体。
ダブリンコアメタデータ基本記述要素集合(DCMES: The Dublin Core Metadata Element Set)
ダブリンコアの中核となる、タイトル・作成者等の15タームを定義したメタデータ語彙集です。
DCMESは、ダブリンコアメタデータ基本記述要素集合1.1版(The Dublin Core Metadata Element Set, Version 1.1)としてDCMI*のウェブサイト上で公開されています。DCMESは、Simple DCとも呼ばれています。
現在、DCMESは旧式の語彙(レガシー)として位置づけられており、DCMESとは別の名前空間に定義したDCMIメタデータ語彙*をDCMESに代わる語彙として使用することが推奨されています。
値域(Range)
定義域(Domain)
プロパティ(Property)
リソース*を記述するために用いられる、性質、属性、関連等を表現するもの。
メタデータ(Metadata)
「データに関するデータ」を意味し、資料のタイトル・作成者等の書誌情報も含みますが、狭義にはインターネット上のリソース*に関する情報を検索等の目的で記録したデータを指します。
メタデータスキーマ(Metadata Schema)
メタデータの形式や構造を定義したもの。メタデータの記述に用いる語彙定義と記述規則をあわせてスキーマと呼びます。
リソース(Resource)
書籍、デジタルコンテンツ、人物など、名前をつけて記述できる対象物。
リテラル(Literal)
メタデータに記述する値*のうち、別の実体を参照する名前ではなく、文字列でその値を直接表現するもの。
DC-NDL等のメタデータ標準に関する問い合わせ先
国立国会図書館 電子情報部
電子情報流通課 標準化推進係
メールアドレス:standardization