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視覚障害などの理由で印刷物を読むことに困難のある方を対象としたインターネット利用に関するアンケート調査結果

この調査について

視覚障害などの理由で印刷物を読むことに困難のある方を対象としたインターネット利用に関するアンケート調査結果をご報告します。

第1部 アンケート調査の実施について

視覚障害のある方、あるいはその他の様々な理由で印刷物を読むことに困難がある方(プリントディスアビリティのある方)を対象にしたインターネット利用に関するアンケート調査を以下のとおり、実施した。

1 調査期間

平成27年6月30日から8月17日

2 調査対象

視覚障害のある方、あるいはその他の様々な理由で印刷物を読むことに困難がある方(プリントディスアビリティのある方)

3 回答方法

以下の方法により回答を受け付けた。

第2部 アンケート調査結果

1 回答者

アンケート調査の有効回答者数は159名であった。回答の全体の傾向として、プリントディスアビリティのある者の中でも、いわゆるパワーユーザーと呼ばれるICTスキルのかなり高い者が回答者の多くを占めたと推測される。

表1 アンケートの回答方法
回答方法 回答数 割合(回答数/全回答者数)
ウェブフォーム 133 83.65%
テキストファイル(メール) 26 16.35%
159 100.00%

2 回答者の年齢

表2 回答者の年齢
年齢 回答数 割合(回答数/全回答者数)
0歳から20歳まで 3 1.89%
21歳から40歳まで 27 16.98%
41歳から60歳まで 87 54.72%
61歳以上 41 25.79%
不明 1 0.63%
159 100.00%

3 インターネット利用時によく利用するデバイス

表3 インターネット利用時によく利用するデバイス(複数回答可)
デバイス 回答数 割合(回答数/全回答者数)
デスクトップパソコンまたはノートパソコン 155 97.48%
タブレット端末 23 14.47%
スマートフォン 60 37.74%
携帯電話(スマートフォンでないもの) 36 22.64%
その他 2 1.26%

なお、その他の2名は、点字PDAであった。

4 よく使用しているデバイスのOS

表4 よく使用しているデバイスのOS(複数回答可)
選択肢 回答数 割合(回答数/全回答者数)
Windows 152 95.60%
Mac OS 8 5.03%
iOS 53 33.33%
Android 14 8.81%
その他 1 0.63%

5 ウェブサイトを閲覧するためによく利用するブラウザなどのアプリケーション

表5 ウェブサイトを閲覧するためによく利用するブラウザなどのアプリケーション(複数回答可)
選択肢 回答数 割合(回答数/全回答者数)
Internet Explorer 111 69.81%
Firefox 28 17.61%
Google Chrome 20 12.58%
Safari 42 26.42%
NetReader 94 59.12%
ALTAIR 4 2.52%
VoicePopper 20 12.58%
サーチエイド 25 15.72%
その他 3 1.89%

6 OSやアプリケーションによってインターネット利用を補助する機能

OSやアプリケーションによって利用を補助する機能のうち、よく利用している機能を尋ねた。回答者のうち、音声による読み上げ機能を利用していると回答しているものが9割を占めた。音声による読み上げと点字ディスプレイ、音声による読み上げと画面や文字サイズの拡大など複数の機能を併用しているという回答も一定数あった。

表6 OSやアプリケーションによってインターネット利用を補助する機能(複数回答可)
選択肢 回答数 割合(回答数/全回答者数)
音声による読み上げ 146 91.82%
画面や文字サイズの拡大 32 20.13%
色設定の変更や白黒反転表示 20 12.58%
行間の変更 9 5.66%
フォントの変更 14 8.81%
点字ディスプレイ等による点字表示 29 18.24%
その他 0 0.00%

7 よく利用するスクリーンリーダー

スクリーンリーダー利用者に利用するスクリーンリーダーを尋ねた。

表7 よく利用するスクリーンリーダー(複数回答可)
選択肢 回答数 割合(回答数/全回答者数)
PC-Talker 126 79.25%
JAWS 17 10.69%
NVDA 48 30.19%
iOS端末やMac OSのVoiceOver 52 32.70%
AndroidのTalkBack 8 5.03%
Windowsのナレーター 3 1.89%
その他 11 6.92%

8 とても長いウェブページ上で情報を探し出そうとするとき、最もよく最初にすること

スクリーンリーダー利用者に、とても長いウェブページ上で情報を探し出そうとするとき、最もよく最初にすることを尋ねた。

表8 とても長いウェブページ上で情報を探し出そうとするとき、最もよく最初にすること(複数回答可)
選択肢 回答数 割合(回答数/全回答者数)
ページを上から順番に読んでいく 67 42.14%
ページ上の見出しを順に移動する 96 60.38%
ページ上にあるリンクを順に移動する 84 52.83%
ブラウザのページ内検索機能を使用する 56 35.22%
その他 10 6.29%

なお、その他の回答としては以下のような回答があった。

  • テキストエディタに貼りつけて読み上げる
  • テキストエディタに貼りつけて検索する
  • スクリーンリーダーのその他のジャンプ機能を用いる

など

9 知りたい情報がPDFファイルで提供されている場合の利用方法

PDFの利用可能性を確認するために、知りたい情報がPDFファイルで提供されている場合の利用方法について尋ねた。

表9 知りたい情報がPDFファイルで提供されている場合の利用方法(複数回答可)
選択肢 回答数 割合(回答数/全回答者数)
PDFファイルをブラウザ内で開いてそのまま読む 78 49.06%
ダウンロードしてAcrobat ReaderなどのPDF閲覧ソフトで読む 60 37.74%
ダウンロードしてMyBookなどスクリーンリーダーの利用を想定した閲覧ソフトで読む 58 36.48%
ダウンロードしてPDFファイルをテキストデータに変換して読む 73 45.91%
PDFファイルのみで提供されていた場合は読まない 29 18.24%
その他 5 3.14%

その他の回答には、以下のような回答があった。

  • 印刷して拡大コピーして読む
  • 複雑な段組や図形などはPDFをJPGに変換し、ペイントで色を反転して見易くし、原文と見比べる

など

10 普段PDFファイルを読む方法で、PDFファイルに記載されている情報を得ることができるかについて

シンプルなレイアウトのPDFファイル(サンプル1)と複雑なレイアウトのPDFファイル(サンプル2)をサンプルとして用意し、普段PDFファイルを読む方法で、PDFファイルに記載されている情報を得ることができる否かについて回答を求めた。回答は以下のとおりである。スクリーンリーダーの読み上げる順序が、正しい順序でなくてもおおむね内容が理解できる場合もありうるが、その点も含めて回答者に判断を委ねた。

表10 普段PDFファイルを読む方法で、PDFファイルに記載されている情報を得ることができるか
回答方法 回答数 割合(回答数/全回答者数)
2つとも概ね問題なく情報を得ることができた 87 54.72%
サンプル1は概ね情報を得ることができたが、サンプル2は得ることができなかった 28 17.61%
サンプル1、2ともに必要な情報が得られなかった 14 8.81%

なお、読むことができなかった場合にはその理由も尋ねたところ、41件の意見をいただいた。多かった意見は以下のとおりである。

  • レイアウトを無視して読み上げられてしまい、内容が把握しづらかった。
  • 使用している音声ブラウザではサンプルPDFファイルをうまくダウンロードできなかった。
  • 使用している音声ブラウザでは、サンプルPDFファイルをAcrobat ReaderなどのPDF閲覧ソフトにうまく渡せなかった。
  • 手持ちのソフトではテキストに変換できなかった。

など

11 どの形式で公開されていると利用しやすいか

PDFファイルが読みにくい、または、PDFファイルで公開されている場合は読まないという方に、どの形式で公開されていると利用しやすいかを尋ねた。

表11 どの形式で公開されていると利用しやすいか(複数回答可)
回答方法 回答数 割合(回答数/全回答者数)
HTML形式 56 35.22%
プレーンテキスト形式 63 39.62%
その他 3 1.89%

12 インターネットを活用してよく利用する情報収集手段

表12 インターネットを活用してよく利用する情報収集手段(複数回答可)
選択肢 回答数 割合(回答数/全回答者数)
検索エンジン 153 96.23%
メールマガジン 93 58.49%
メーリングリスト 105 66.04%
SNS 56 35.22%
その他 4 2.52%

13 よく利用しているSNS

表13 よく利用しているSNS(複数回答可)
選択肢 回答数 割合(回答数/全回答者数)
Twitter 52 32.70%
Facebook 55 34.59%
LINE 30 18.87%
その他 8 5.03%

14 国立国会図書館ホームページ等の利用頻度

表14 国立国会図書館ホームページ等の利用頻度
選択肢 回答数 割合(回答数/全回答者数)
ほぼ毎日 4 2.52%
週に1回以上 7 4.40%
月に1回以上 18 11.32%
年に1回以上 33 20.75%
まだ利用したことがない 93 58.49%

15 国立国会図書館ホームページ等の主な利用目的

国立国会図書館ホームページ等を利用したことがある方に主な利用目的を尋ねた。

表15 国立国会図書館ホームページ等の主な利用目的(複数回答可)
選択肢 回答数 割合(回答数/全回答者数)
資料の検索 40 25.16%
視覚障害者等用データ送信サービスの利用 14 8.81%
複写サービスの利用 4 2.52%
当館に来館するための情報収集 4 2.52%
調べものに役立つ情報収集 23 14.47%
デジタル化資料の閲覧 16 10.06%
その他 2 1.26%

16 国立国会図書館ホームページ等の次に挙げるページ等の改善点

国立国会図書館ホームページ等の次に挙げるページ等について、使いやすさの観点から特に改善すべき点、使いづらいところ点等について意見を求めた。

  1. 国立国会図書館ホームページ トップページ
    https://www.ndl.go.jp/
  2. 国立国会図書館ホームページ 障害者サービス
    https://www.ndl.go.jp/jp/support/index.html
  3. 国立国会図書館サーチ 障害者向け資料検索(DAISYや点字データも検索できます)
    http://iss.ndl.go.jp/#search-handicapped
  4. 上記以外でお気づきになった国立国会図書館ホームページ等

49件の意見をいただいた。各サンプルに共通する寄せられた主な意見は以下の通りである。

  • キーボードのみでは操作しづらい。
  • レイアウトが複雑で、情報やリンクが多すぎ、目的の情報にたどり着くのが大変である。
  • 図書館の利用方法にテキスト形式版を用意してほしい。
  • PDFだけの情報が多い。
  • 色がごちゃごちゃしている。

など

調査にご協力いただきありがとうございました。ご協力いただいたアンケートの回答は、国立国会図書館ホームページ等のアクセシビリティの改善を検討する際の参考とさせていただきます。

お問い合わせ先

国立国会図書館 関西館 図書館協力課 障害者図書館協力係
メールアドレス:syo-tkyアットマークエヌディーエルピリオドジーオーピリオドジェーピー
電話:0774-98-1457(月~金曜日9時~17時45分 国民の休日・祝日及び年末年始を除く)
FAX:0774-94-9117

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