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第27回保存フォーラム

第27回保存フォーラムの終了について

第27回保存フォーラムの会場風景

平成28年12月7日に第27回保存フォーラム「デジタル時代の資料保存-英国ボドリアン図書館と一橋大学社会科学古典資料センターの事例から-」を東京本館新館大会議室において開催しました。参加者は87名(うち館内からは35名)でした。
講演では、オックスフォード大学ボドリアン図書館のヴァージニア・リィヤドブイサン氏から、ボドリアン図書館におけるデジタル化への資料修復アプローチについてお話いただきました。バチカン図書館と共同して行ったプロジェクトでは、非常に貴重で脆弱な資料をデジタル化するにあたって、資料の状態に応じてどのようにデジタル化を実施するかについて、コンサバターが全ての関係者と相談する機会を設け、意見を反映させたことや、コンサバターがプロジェクトのスタートから関与して作業の流れを確立することにより、不必要なストレスを原資料と作業者に与えずデジタル化を進めることが肝要ということなどが説明されました。
また、一橋大学社会科学古典資料センターの事例報告では、西洋古典資料の媒体変換と原本の保存について報告していただきました。メンガー文庫のマイクロ化事例では、撮影により破損した資料を業者に補修させる事後的な対応から、大学側が事前から撮影計画に主体的に関わり、資料全点の調査が実現し、資料保存への対処が行える体制へと変化していったことや、撮影は、個々の資料に対してはダメージが発生する場合もあるが、良い計画の下で実施すれば、むしろ資料保存にとっては「損失ではなく大きな機会」と考えていることなどが報告されました。当館からの報告では、デジタル化を実施する際の資料保存の考え方及び資料保存課の役割を説明し、デジタル化の外注仕様書の確認、資料の状態確認、作業環境の確認、保存に関する相談、事前・事後の資料の手当て等を行っていることを紹介しました。
質疑応答では、デジタル化済み資料に対する保存修復処置、デジタル化後の原資料の利用変化等について質問がありました。

第27回保存フォーラムの開催について

保存フォーラムは、図書館における資料保存対策や技術について、実務者が情報交換、意見交換を行うことを目的として開催するものです。

近年、図書館がデジタル化を進める上で、原資料の保存との両立が大きな問題になっています。欧米の図書館等では、原資料の保存業務とデジタル化業務を統合し、計画的かつ効率的に実施する試みが始まっており、これまで紙の保存を主として担当してきたコンサバター(保存修復家)が積極的に関与するようになってきています。第27回保存フォーラムでは、「デジタル時代の資料保存-英国ボドリアン図書館と一橋大学社会科学古典資料センターの事例から-」をテーマに、英国のコンサバターによる講演と国内機関の事例から、デジタル化と資料保存について考えます。

日時 平成28年12月7日(水)午後1時30分~5時(受付 午後1時~)
会場 国立国会図書館 東京本館 新館3階大会議室
アクセス方法は東京本館 新館3階 大会議室/研修室 へのアクセスをご参照ください。
テーマ デジタル時代の資料保存
-英国ボドリアン図書館と一橋大学社会科学古典資料センターの事例から-
内容
  1. 講演「デジタル時代の資料保存」(仮題)※英語・逐次通訳付
    ヴァージニア・リィヤドブイサン氏(オックスフォード大学ボドリアン図書館コンサベーション&コレクションケア部門長)
  2. 事例報告
    「事例報告1 一橋大学社会科学古典資料センター」(仮題)
    床井啓太郎氏(一橋大学社会科学古典資料センター専門助手)
    「事例報告2 国立国会図書館」(仮題)
    高橋幸伸(収集書誌部資料保存課保存企画係長)
  3. 質疑応答・意見交換
対象 国内の図書館員等の資料保存に関心のある方
定員 80名(先着順)
参加費 無料
申込方法 終了しました。
その他 当日は記録・広報用に写真やビデオによる撮影をいたしますので、あらかじめご了承ください。
問い合わせ先 国立国会図書館 収集書誌部 資料保存課
電話:03-3506-5219(直通)
メールアドレス:hozonkaアットマークエヌディーエルピリオドジーオーピリオドジェーピー

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