平成14年度の調査研究の内容
平成14年度は以下のテーマで調査研究を行いました。
(1)保存対象と保存方法の整理
海外の国立図書館が電子情報の保存に当たって採用しているガイドライン及び長期保存に当たっての取組みの現状、将来計画等を調査しました。
(2)保存方法、技術の動向
保存技術別に代表的な事例を調査しました。また、電子情報の保存に必要なメタデータ付与プロセス及び長期保存に当たっての概念的枠組みであるOAIS参照モデルについても調査しました。さらに、保存する電子情報の内容と方法に照らして、保存に要するコストについても調査しました。
(3)記録媒体と保存環境
電子情報の記録媒体には、それぞれに固有の寿命があり、気温や湿度など保管に適当な環境にも差があります。これらに関する情報を収集し、整理しました。また、各媒体のライフレンジの予測、代替技術の展望をまとめました。
(4)情報発信者と図書館との協働作業
海外で行われていている電子情報の長期保存のための図書館と情報発信者との協働作業を、各種レポートを基に調査しました。この他に、日本国内の公共機関、民間機関における電子情報の長期保存の実態を把握するためアンケート調査を行いました。また、電子情報の保存についての取組みや研究を行っている各分野の有識者からなる調査研究会議を2回開催しました。
以上の調査研究の結果を「電子情報保存に係る調査研究報告書」(平成15年3月)としてまとめています。
上記以外の活動
国立国会図書館が実施する電子情報保存調査研究事業について有識者からの意見を聴取し、今後の事業の展開に資することを目的として電子情報保存調査研究会議を開催しました。