平成24年10月1日 岩手県指定有形文化財「吉田家文書」の本格修復を行います
国立国会図書館は、東日本大震災復興支援活動の一環として、平成24年10月1日から平成26年9月30日までの2年間の予定で、被災した古文書の本格修復を行います。
岩手県陸前高田市立図書館書庫には、岩手県指定有形文化財「吉田家文書」が収められていました。陸前高田市立図書館は津波により全壊し、所蔵資料の大部分が流出しましたが、吉田家文書の多くは流出を免れ、岩手県立博物館で処置が行われました(当館職員も支援に参加)。その際に文書の状態を調査したところ、カビの発生、和紙の腐食、紙面の部分剥離等の損傷が判明しました。このため、国立国会図書館は、岩手県教育委員会からの依頼を受け、被災地図書館の支援として、文書を東京本館(千代田区永田町)に搬送し、本格修復を行うこととしました。
吉田家文書は、仙台藩の大肝入(おおきもいり 租税事務などを担当する役人)を世襲していた吉田家に伝わる文書類です。江戸時代から明治にかけての執務記録である「定留(じょうどめ)」がまとまった形で残されています。
修復作業では、文書の長期保存および学術資料として活用されることを目指し、カビの除去、損傷部分の補てん等を行う予定です。作業の進捗状況については、ソーシャルネットワーキングサービスFacebookを通じてお知らせします。