陸前高田市立図書館所蔵の郷土資料復旧支援
児童・生徒の文集、郷土史関係、民俗芸能関係などの陸前高田市の郷土資料が、津波で被災して1年以上ブックモビル(BM)内に放置されていました。平成24年の3月、岩手県内の図書館員が救済活動を展開し、県内ボランティアの協力を得てBMから搬出しました。
これらに対する応急処置(乾燥、殺菌、ドライクリーニング、現物とリストの照合など)に関する技術指導のため、平成24年6月に国立国会図書館の職員が現地に赴きました。陸前高田市教育委員会の要請を受けて、岩手県立図書館が全体を統括し、国立国会図書館資料保存課と日本図書館協会(JLA)資料保存委員会の修復専門家が技術指導を行うという体制のもと、JLAの呼びかけで集まったボランティアの方々10数名が実際の作業にあたりました。
数量は500冊程度であり、ここから、「寄贈や購入で再入手できないもの」約260点と壁新聞10点、写真1箱に絞り、さらに状態が著しく悪いため手の施しようがないものを除いて最終的に170冊程度を処置することになりました。
湿っているものについては、ペーパータオルや新聞紙で吸水したり、風による乾燥を行いました。その後、ドライクリーニングなどを行いました。中には、のどの部分に砂が詰まっていたり、紙がくっついていたり、カビが生えてしまっているものがありましたので、左の写真のように装備に万全を期して作業を行いました。
応急処置が終わった資料は、最終的に段ボール箱6箱に収納しました。修復等の手当を今後行う場合に備えて、修復作業の難易度別に3段階に分けました。この6箱は、次期計画が確定するまで、県立博物館の冷凍庫で保管されます。