山中三郎記念バストス地域史料館所蔵
Acervo do Museu Histórico Regional Saburo Yamanaka de Bastos
笠戸丸航海日記
赤インキ抔□□□
小谷承知の事
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7/3 08
○写真二枚
サンパウロ案内 名方氏貸
○写真七枚 12/3 山口氏貸
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Taras Ministro
do Japon, Petropolis
Brasil
公使館行
箱書
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東洋汽船
煙花荷物ノ件 中□便
公使館荷物の件
機関士の件
旅行荷の件
海崎
五ノ二〇
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日比往訪
岩本氏電話
大平ノ件
五日朝
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鈴木手紙
□□手紙
隈田手紙
ニ本榎町
一ノ六ノ一
青柳
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舞楽而留植民豫算
一金十万円 資本総高
内
三七、六〇〇 創業費
四八、〇〇〇 営業資金
一四、四〇〇 予備費
創業費内訳
二〇、〇〇〇 巳払金
一、五〇〇 三人旅費
三、〇〇〇 リヨ事ム所
一〇、〇〇〇 択撰費
三、一〇〇 本社役立
営業費内訳
四、八〇〇 モン手宛
三、六〇〇 技師手宛
二、四〇〇 書記手宛
一八、〇〇〇 植民手宛二〇〇
三、六〇〇 リヨ経費
三、六〇〇 仝客費
一二、〇〇〇 本社費
外に船舶資金及積立金を要すとすれは算外なり
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福山町守船町
米屋町鶴見屋方
沖藤孫一郎方
青柳郁太郎
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一金四拾円也(預り)
船中返し後 高桑治兵衛
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毎日新経済記者
山沢春之
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伊丹少佐母堂逝去に付今月中片附岡山へ帰る
然後父君出京を承知すれは直に上京の旨言伝 伊丹希以子
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Jasuicu, 蘭
Bugai,
Orcludico,
Loclis Gnchideas
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広嶋(仏)山野仁一
ニューカレドニヤ在留せし者
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商業学校卒業
英西 臼井介人
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領事へ通知の事
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150
煙花の中「星」資本金
興業金
以上五月中送金の事
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煙花連中船中小遣の事
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リヨ聖州之将来
サンパウロ同上
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社員一同満足の事
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藤本の事
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タンサン紙 コム大小
用紙 インキ
前日午後六時
四月廿九日 晴 水曜日
正午 北緯卅二度廿五分 東経百三十二度四十五分 百九十五哩
四月卅日 晴 木曜日
午前十時左舷に「スワ嶋」「臥蛇嶋」を眺めて進航す
正午北緯廿九度五十八分 東経百二十九度 二百四十七哩
夕刻に至少雨
五月一日 金曜日 朝大雨后晴
正午北緯廿五度五十五分 東経百廿五度五分 二百四十三哩
五月二日 土曜日 曇天
正午北緯廿六度卅一分 東経百廿一度十三分 二百廿二哩
此夜八時よりTurn Abont(回転燈)の燈台を見る
五月三日 日曜日 快晴
正午北緯廿三度卅分 東経百十七度四十八分 二百五十八哩
此日正午兄弟嶋を見る
午後二時三十分ラバ嶋を見る 是より後数日嶋嶼を見る事なしと云ふ
五月四日 月曜日 快晴
正午北緯十九度卅八分 東経百十五度十四分 二百七十二哩
此日遽に暑気甚し
五月五日 火曜日 快晴
正午北緯十五度卅三分 東経百十三度五分 二百七十四哩
此夜熱度高く寝所に苦しむもの多し
五月六日 水曜日 快晴
正午北緯十一度四十七分 東経百十一度九分 二百五十二哩
此夜火夫暴語を発し警戒する所あり亦閑中の一事也
五月七日 木曜日 快晴
正午北緯八度十五分 東経百八度四十八分 二百五十四哩
此夜警報あり火夫移民共に動揺すと
五月八日 金曜日 雨
正午北緯四度三十七分 東経百六度廿五分 二百六十哩
午前二時より風雨臻る
五月九日 土曜日 快晴
午後二時聖嘉坡寄舫す 二百七十五哩
明日早天桟橋に着すると云ふを以て郵便電報の事ともを明日の事とす
此夜亦火夫片岡を襲ふとの風聞あり警戒する所あり
五月十日 日曜日 快晴
午前七時運転を始め桟橋に着す
上塚代理人上陸郵便電信の事を弁せんとす
日曜日のため一切弁する事を得ず三井物産会社の店員に托す
午后三時抜錨ケープタウンに向ふ
暑気意外に甚しからず病者幸に少し
五月十一日 月曜日 快晴
正午北緯二度五十五分 東経百一度 二百一哩
五月十二日 火曜日 快晴
正午北緯五度廿一分 東経九十七度三十分 二百五十哩
五月十三日 水曜日 大風雨
正午北緯五度卅分 東経九十四度廿五分 二百哩
五月十四日 木曜日 半晴
正午北緯三度廿二分 東経九十一度四十六分 二百二哩
驟雨時々到る衆客船暉に苦しむ
五月十五日 金曜日 曇
正午北緯一度廿五分 東経八十九度廿四分 百八十四哩
五月十六日 土曜日 晴
正午南緯〇度四十四分 東経八十六度四十分 二百四哩
十三日以来南風船動揺甚し船暈多し
五月十七日 日曜日 時々雨到る
正午南緯二度五九分 東経八十三度五十六分 二百廿二哩
五月十八日 月曜 晴
正午五度五十五分(南緯) 東経八十度三十四分 二百三十三哩
涼風此日より起る動揺少しく緩む
五月十九日 火曜日 晴
正午南緯七度廿一分 東経七十五度
五月廿日 水曜日 半雨
正午南緯九度五十四分 東経七十三度
五月廿一日 木曜日 快晴
正午南緯十二度八分 東経六十九度四十分 二百六十一哩
五月廿二日 金曜日 快晴
正午十四度十五分(南緯) 東経六十六度十一分 二百四十哩
五月廿三日 土曜日 快晴
正午南緯十六度四十一分 東経六十二度廿二分 二百六十五哩
五月廿四日 日曜日 快晴
正午南緯十九度七分 東経五十八度廿八分 二百六十四哩
午後仏領マウリタス嶋を視る
五月廿五日 月曜日 曇
朝仏領セントレウニオン嶋を視る 周囲約卅哩砂糖果物を産すと云ふ
正午南緯二十一度十一分 東経五十四度四十分 二百四十八哩
五月廿六日 火曜日 快晴
正午南緯廿三度四十六分 東経五十度四十三分 二百五十七哩
五月廿七日 水曜日 晴
朝マダカスカル嶋を見る
正午南緯廿八度五十二分 東経四十六度卅一分 二百七十一哩
五月廿八日 木曜日 快晴
正午南緯二十七度四十二分 東経四十二度十二分 二百五十六哩
此暁大野妻在らさる事五時間
五月廿九日 金曜日 晴微風
正午南緯廿九度二十三分 東経三十八度 二百四十三哩
五月卅日 土曜日 快晴
正午南緯卅一度四分 東経卅四度 二百三十哩
五月卅一日 日曜日 晴風
正午南緯卅三度四分 東経二十九度十三分 二百七十二哩
此夜燈台を見る
六月一日 月曜日 快晴
此朝より亜弗利加大陸を見る
正午南緯卅四度三十四分 東経廿四度十二分 二百七十哩
六月二日 火曜日 快風
正午南緯卅四度五十二分 東経十九度三十七分 二百卅五哩
午後十時Cape Town着港外投錨
百七哩
六月三日 水曜日 雨
午前七時進行船渠内に入る
上陸市街を視る 御門と称する商店あり之を訪問す
主人古谷某常陸の人英杜戦争の時より開店すと云ふ
主人帰国中仝人妻及姪と若者二人あり
夜古谷妻及姪船中に来る
六月四日 木曜日 半晴
午前九時港外に出つ
午後一時抜錨波浪高く船動揺す
六月五日 金曜日 晴
正午南緯卅一度四十九分 東経十四度十分 二百四十八哩
六月六日 土曜日 晴
正午南緯三〇度廿七分 東経九度十五分 二百六十四哩
六月七日 日曜日 半晴 風
正午南緯廿九度十四分 東経四度三十八分 二百五十二哩
六月八日 月曜日 晴 風
正午南緯二十八度十分 東経〇度三十六分 二百廿二哩
此暁船動揺甚しく棚上の物落つ
六月九日 火曜日 晴
正午南緯廿七度廿四分 西経四度〇分 二百四十八哩
六月十日 水曜日 晴
正午南緯廿六度卅六分 西経八度四十九分 二百六十二哩
六月十一日 木曜日 晴 穏波
正午二十五度五十五分南緯 西経十三度四十三分 二百六十七哩
六月十二日 金曜日 晴
正午南緯廿五度廿分 西経十八度卅六分 二百六十六哩
六月十三日 土曜日 半晴
正午南緯廿五度九分 西経二三度三十分 二百六十六哩
六月十四日 日曜日 晴
正午南緯廿四度五十七分 西経廿八度廿七分 二百六十四哩
六月十五日 月曜日 快晴
正午南緯二四度四十六分 西経三三度八分 二百六十哩
此夜フワンシーボルの催あり
此深更悪火夫我を襲はんとして上級火夫のため遮きられ遂に上級火夫を刺す
六月十六日 火曜日 快晴
正午南緯廿四度九分 西経卅七度四十八分 二百五十五哩
六月十七日 水曜日 晴
正午南緯廿四度八分 西経四十二度廿分 二百四十九哩
サントス迄二二〇哩
六月十八日 木曜日 晴
此朝九時サントス入港午後五時船渠着
航程二百廿哩 総哩凡一万二千哩
六月十九日 金曜日 晴
此朝移民三時半離床五時喫食七時発車サンパウロ収容所に向ふ
皆の動揺なく亦一人の病者なし風土一般の意に叶ふものの如し
煙火荷物等リヨ廻航の手続を済し午后四時卅分発にてサンパウロに向ふ
午后六時三十分着クランドホテルに投す
三浦通訳官及煙火三人同行す
藤商店後藤氏来リ迎ヘ亦同行す
夜内田公使に発電す又本社に発電す
六月廿日 土曜日 晴
此日農務大臣移民収容所を視るに付臨場す前大領ボッテリヨ及ベント、ブエノ亦来所す
移民静粛皆の不都合なし
六月廿一日 日曜日 晴
此日復収容所を視る
船員パーサー、機関長等来所同道収容所を視皆其完備に驚く
六月廿二日 月曜日 晴
午前収容所に到る船員の逃走者四人来所皆保護を托し特に電報す
夜機関長飯嶋氏金澤氏と来市す
仁平氏妻女に懇篤注意を伝ふ
六月廿三日 火曜日 晴
午前収容所に居る船員逃走者を船倉に戒附す
午後大統領に会見す
六月廿四日 水曜日 晴
午後農務大臣私邸に向ふ
又収容所を視る
六月廿五日 木曜日 晴
午後農商務省に出頭珈琲の件を決す
六月廿六日 金 晴
六月廿七日 土 晴
午前収容所に到る
午后農務省出頭珈琲契約調印す
夜日本に発電す
六月廿八日 日曜日 晴
収容所を視る
此夕三原以下四人「リヨ」に到る
六月廿九日 月曜日 晴 祭日
午後収容所を視る
コメルシヨ新聞社の写真師来る
六月卅日 火曜日 晴
午後農商務省出頭次官及工商局長に面会珈琲契約謄本を受取る
珈琲販売人来訪
七月一日 水曜日 晴
午前珈琲販売所を視る
午后収容所に到る
農務大臣閣下に上塚氏を紹介す
七月二日 木曜日 晴
石井局長に通報する所あり
本社に発信す
七月三日 金曜日 晴
ブラジル鉄道会社に上塚代理人を同行す
農務省に至鈴木旅費を受取る
此夜片岡一統外三人を率ひてリヨに向ふ
七月四日 土 晴
朝八時リヨに着す 先着の勝之モン氏等出迎ふ
此夜モン氏リヨ統領に面会して談する所あり
七月五日 日 晴
朝六時三十分ペツロホリスにモン氏と同行す
公使等大に移民の事に満足す 亦たリヨ州植民の事に就て話す所あり 明日馬場書記生をリヨに下す事を約す
夕帰「リ」す
松勝三等来り博覧会の景況を談す
七月六日 月曜日 晴
午前馬場書記生公使の命により通弁のため来る
午後モンテイロと馬場書記生とを伴ひニテロイにリヨ州大統領を問ふて測量設備日限延期の事を談ず
三浦通訳の書に接す
七月七日 火曜日 晴
午后博覧会場に至り煙花工場を視る
岩永北原上原等と会見す
夜に入り帰宿す
モンテイロはニテロイに到る
高橋書記生の書に接す中に岩本の書あり又上塚宛の書あり
七月八日 水曜日 晴
午前ウヲルブン及税関に到り荷物の詮索をなす 漸くにて見当る 田中の力に拠る
此夕宮崎信造来る 公使との約束により雇入れたるものなり
三浦通訳官に書面を発す
七月九日 木曜日 雨
午前博覧会に到る 帰途三原の宿所に到り視る
此日より宮崎三原の宿処に入る
煙火のプログラムを作る
七月十日 金曜日 晴
午後モン氏とプログラムの打合をなす
陶器の事に関し外人の照会に接す
東野、林竹太郎、山口信太郎、加藤通訳、古谷きん子に発状
七月十一日 土曜日 晴
上塚代理人の書あり 交々来聖を促し来る
以書状答ふる所あり又書面を発す
七月十二日 日曜日 晴
成川山林技師来るホテルアベニダに送る
上塚代理人の電報あり
三浦通訳官に発信す
上塚代理人に電報す
此朝水嶋唱一郎氏を訪ふ
七月十三日 月曜日 晴(満月)
午前博覧会場に到り既着、煙火を持ち来る
夜リヨ州大統領子息の誕生日と云ふを以て到り祝す
贈る所の花瓶を飾り夫人は贈る所の扇子を持ち書記官長は同しくネクタイを着け各々満悦の意を表はす
十一時帰宿す
七月十四日 火曜日 晴
無事
夜水嶋田中両氏来る
七月十五日 水曜日 晴
本社及藤崎商店へ発状
午後成川技師来訪共に博覧会場を視る
夜西村きん子及隈部三郎氏へ発状す
七月十六日 木曜日 雨
午後博覧会に到る
夜日伯商店員及田中氏来談 三原田中と共に夕飯を喫す
七月十七日 金曜日 半晴
此日片岡を博覧会場内に移らしむ
田中氏より金三百ミルレースを借る
藤崎商店の書に接す 三浦氏今夜或は帰館す可し云々
三浦氏に電報 帰府を問ふ
七月十八日 土曜日 雨
午前上塚氏電報アリヅーモント破裂す
通弁一人直ちに派遣す可しと 仍て八時夜行にて宮崎信造を派遣す
此夜三浦氏帰市の旨後藤氏より電報に接す
夜田中氏来談
七月十九日 日曜日 晴
午前八時三浦氏サンパウロより帰る移民の事情を詳悉す
上塚氏に一書を発す
午後上塚氏の書に接す
又古川大斧氏の書に接す
林竹太郎氏の書に接す 神谷氏の来伯に就て云々する所あり
博覧会に昼飯す
午後四時三浦氏の宿を訪ふて更に移民の状態を詳聞す
モンテイロに電報す
七月廿日 月曜日 晴
午前十一時半三浦氏の宿を訪ふモンデイロを待つ 氏到らず四時に至り相共に宿所に帰るモン氏帰宿して在り
三原来会三浦氏五人と晩食す
七月廿一日 火曜日 晴
午前八時セントラル発を以て三浦氏帰館す
九玉を随行せしめ焦眉の急に充る金員を借受くる事とす
午後出て、博覧会場に到らんとす途に猿橋氏に会す 曰く内田管船局長及神谷忠雄氏来ると
即ストランヂェイロホテルに到り先[の]内田管船局長に接す
神谷氏と談する所あり尽きす 夜遅く神谷氏来る相共にエストランヂェイロに到り深更迠熟談相提携して
夜八時九玉ペトロポリスより帰る 三浦氏より金壱コントス五百ミルレースを借り来る
七月廿二日 水曜日 晴
午前内田公使下「リ」す 出迎ふ
上塚代理人に六百ミルレースを電送す
朝来上塚氏の書及三浦氏の電報に接す
上塚三浦両氏に書面を発す
午後モン氏と共にミカエル女を問ふ
夜公使を迎へ明朝再会を約す
七月廿三日 木曜日 晴
午前約により公使を問ふ
又神谷氏に会して臨時千五百円の借用を依頼す 彼聴かず
此朝突如上塚代理人聖都より来る 事情迫るものあればなり
夕汽車にて帰聖す
夜田中氏来訪煙火製造所の事を調査し得たり
夜八時内田管船局長を訪ふて移民輸送に関する意見を述ふ
モン氏コンミッチーの証明を持来る 然れとも借入金調はす
七月廿四日 金曜日 晴
十一時ブローカーの店へモン氏と共到る成らず 三時重て問ふ成らす
上塚代理人に電報し又書面を発す
ベチイヘエ古川大斧氏の書に答ふる所あり
夜神谷氏ペツロポリスより来り訪ふ
七月廿五日 土曜日 晴
内田管船局長来訪随行及神谷氏伴随す
藤崎(サンパウロ)商店に電報 内田管船局長の出迎を托す
十一時ブロカーをモン氏と共に訪ふ 談成らず
上塚代理人に電報す且内田氏の事を報ず
上塚代理人の書到る直に答ふる処あり
家信あり六月六日東京に大雹降ると最大なるもの径四吋 家信に答ふ
安田喜十郎氏の書到る答書を送る
三浦氏サン
七月廿六日 日曜日 晴
午前七時十分発車にて内田管船局長サンパウロに到る 即中央停車場に送る
神谷忠雄氏と相携へて博覧会を視る 帰途エストランヂェルに寄り将来提携の方法を講ず 十二時別る
午後三時三浦氏到ルモン氏と協定する所あり
ヅーモンに書面を発し移民の状態を問ふ 公使の命に拠る他五耕地亦同しく書面を発せん事をモン氏に托す
三浦氏と夜食して別る
七月廿七日 月曜日 晴
午前九時公
夜三浦氏宿所にモン氏と到る
此夜深更上塚氏の電報到る 曰くヅーモンより郵信来る 加藤よりも救済出来ぬあす来いとの電あり あす是非金送れ云々 実ニ断腸の思あり
七月廿八日 火曜日 晴
早天上塚氏に発電す
尚見込立ぬ止むなくば公使に乞ふて外務より積金を取るの外なし 只奈前途何賢考如何と 尚書面を以て電文の意を明かす
午後本社より電報到る曰く 五千円送る保証金何口積み何日返すか云々
依て直に此電文を上塚氏に致す 又三浦氏に通す
此夜深更上塚氏の電報あ[り]要件ありリヨに行くと
七月廿九日 水曜日 晴
朝八時上塚氏到る ヅーモント移民の善後策を談ず
上塚氏と博覧会場を視る
三原到る少恙ありと帰り休息せしむ
上塚氏はペツロホリスに到る公使に移民の状態を談する事とす
四時プライニヤ発にて発向す
モン氏はコンミッチーに会見す
本社に発電送金を催す
夜田中氏来訪
七月卅日 木曜日 晴
午前神谷氏ペツロポリスより到り共に昼飯して別る
モン氏と博覧会委員を問ふ
本社、藤崎、三浦氏に発信す
ブェノスアイレス安田商店に発電内田管船局長の出発出迎方を報ず
三浦氏の書あり又馬場氏の葉書に接す
此夕上塚氏ペツロポリスより到り直に聖市へ向ふ 善後の策に就て協議する所あり
田中三原共に来り夕餐を共にして別る
七月卅一日 金曜日 晴
前夕モン氏ペツロポリスに到る
午前博覧会に到る
午後帰途山形氏を問ふ宿処不分明にして会はす
夜モン氏ペツロポリスより帰来す
馬場氏与ふる所の認許書を神谷氏に送る
公使館に煙火製造所の人名を届出つ
八月一日 土曜日 晴
午前神谷氏ペツロポリスより到る 聖州に向ふ途次なりと
午後博覧会場に到る
夕モン氏と三浦氏の宿を訪ふ 勝三を伴ふ
八月二日 日曜日 晴
早天神谷氏の聖州に到るを送る日伯の諸員と会す
上塚代理人外五通弁に神谷氏の巡遊を報す 別に上塚氏には電報を発す
有川来り大工の事を相談す
八月三日 月曜日 半晴
午後山形勇三郎氏を訪ふ
夕刻博覧会委員長を問ふて始めて会見す
ヅーモン書到る
八月四日 火曜日 半晴
ヅーモンの書を公使に送る
モン氏と銀行に到り金十コントスを取る
博覧会場に到る 恰も勝之町田来る 町田と共に到る
五時帰宿本社及内山氏に発信又上塚氏に発電所在を問ふ
八月五日 水曜日 晴
午前十時有川を伴ふて郵便局に到り二コントス上塚代理人へ為替を送る
宿処ソルアグローリヤ十番に移る
本社の書到る(二通)
八月六日 木曜日 晴
此日陸軍大臣欧洲行の為め臨時博覧会に臨む為めに英国煙火と戦をなすと聞き俄かに二十余発を試む
八月七日 金曜日 晴
モン、三原とプログラムの打合をなす
山形氏来訪
午後博覧会場を見る
内山貫一へ発信す
八月八日 土曜日 晴
朝上塚代理人の電報に接す ヅーモン善後策に付来聖を促し来る
午後本社来電明朝出発すへきを報ず
夜三浦氏を訪ひ此顛末を談し相談を告く 又公使へ書面を以て其旨を報ず
八月九日 日曜日 晴
午前七時十分発の汽車にて聖市に向ふ
夕六時着聖後藤、佐藤、上塚、香山 関口の諸氏と会す
夜上塚氏とヅーモン善後策を講ず
八月十日 月曜日 晴
朝ヅーモン支配人デヒー氏を訪て打合をなして夕帰「リ」を決す
移民に書を発して右の成行を報ず
此夕八時ノルテ停車場発リヨに帰る
八月十一日 火曜日 晴
朝八時リヨに着す 伊丹少佐中央停車場に待つ 公使の依頼による
是より相携へてプライニヤへ到り公使の来るを待て同車ホテルに入る
博覧会場に到る
此夕公使とペツロホリスに到る事を約す
ベノスアイルス安田、古川の書到る
マカエ安田の書到る
土井氏の書到る
高橋書記生の書到る
午后五時セントラル発ペツロホリスに到る
公使は四時にて帰館し在り
此夜公使館に宿す
八月十二日 水曜日 晴
公使三浦通訳官とヅーモン善後策を講し三浦通訳官派出の事に決す
午後四時発にて三浦君と共に下「リ」す
三原九玉宿処に来る
八月十三日 木曜日 晴
午後八時発にて三浦通訳官と共にサンパウロに向ふ
八月十四日 金曜日 晴
午前八時サンパウロ着
ソブラ検査官を問ふ 不在 同夜に面会す
八月十五日 土曜日 晴
此日大臣不在のため空しく一日を経過す
八月十六日 日曜日 晴
午後ボハケデサウデの公園に散歩す
夜宮崎ヅーモン耕地より帰る
神谷忠雄亦同耕地より帰り来り訪ふ
八月十七日 月曜日 晴
午前ソブラ検査官を訪ふてヅーモン所在移民の善後策を講す
午後珈琲煎器械を視る
八月十八日 火曜日 晴
前夜ソブラー氏来訪鉄道工夫と為五十人官設鉄道に使用の口ありと告ぐ
午後二時出て、農務大臣を訪ふ 恰も神谷氏亦訪問中なりし
ヅーモン耕地日本移民中五十人を鉄道工夫とし他十家族移転せしむるの策を談ず
遂にデビー氏を電招し決定する事となる
珈琲保証金来年四月中延期の事を講ず 承諾を得たり
八月十九日 水曜日 晴
内田公使に本日迄の経過を報す
八月廿日 木曜日 半雨
午前ゾフラー氏を訪ふて移民将来の事を談じ又珈琲保証金延期申請書の起案を託す 昼食を
午後二時農工務省に出頭次官及アゼンシヤ所長鉄道技師と協議する所あり
夜神谷後藤来談深更に及ぶ
八月廿一日 金曜日 半晴
午後一時農務省出頭デビー氏と次官と協定する所あり
一応耕地に至り廿余家族を出す事とし其出発を土曜日とすべきや将日曜日とすべきやは収容所長に協議して報告を得る事とし退出す
夜収容所来訪日曜日出発と決す
夜演戯を視る
八月廿二日 土曜日 半晴
午前九時半上塚代理人来告て曰くカナンに在る沖縄移民惣代昨夜来り預金を請求すと 仍て一コント五百ミルレースを交附する事とす
此日午後二時神谷氏サントスに到る此夕デビー氏を訪ふ
八月廿三日 日曜日 晴
午前五時四十五分発ニテルス停車場発
三浦通訳官、収容所長、上塚代理人、宮崎通訳デビー及監督ダリーノ両氏とヅーモン耕地に向ふ
午后六時四十分着デビー氏の住宅に宿す
八月廿四日 月曜日 晴
ヅーモン所在移民中百廿八人を分離する事に決定す
八月廿五日 火曜日 晴
午前五時百廿余人の移民を載せてヅーモンを発す
午後七時聖市に着す 収容所長、三浦通訳官、加藤通訳同伴す
グランドホテルに宿す夜有川を電招す
八月廿六日 水曜日 晴
有川出発の電報あり
大野通訳よりイツー移民の小変を報じ来る 電令する処あり
此日収容所にヅーモン帰来移民の職業調査を為して夜八時に及ぶ
上塚代理人ヅーモンより帰聖
有川通訳リヨより来聖
此夜逃亡移民を上塚氏の宿処に集めて説諭する所あり
八月廿七日 木曜日 晴
移民収容所に到り耕地鉄道志望者の区別をなす三浦通訳官亦大に援助せらる
夜上塚、加藤、有川を会し明日の打合をなす
八月廿八日 金曜日 半晴
午前八時より収容所に出て、鉄道人夫契約の条件を確定す
午後四時帰宿す
三原より送金を促し来る
夜有川来る
八月廿九日 土曜日 半晴
午前十時三原へ為替二百金を送る 其旨電報す
食後収容所に到り鉄道人夫の契約を済す
午後三時帰宿
山地の書面郵便を受取る
鈴木三原へ書面を発す
夜三浦通訳官、上塚代理人、後藤、有川、加藤と演伎を観る
八月卅日 日曜日 半晴
此日雹降る
イツーの耕地書記来り沖縄移民の在病院患者を見舞ふ 懇切を極む
此夜成川技師来聖
八月卅一日 月曜日 晴
此日終日収容所に消す
九月一日 火曜日 晴
此朝鉄道工夫となるもの四十二人作業地に出発す
九月二日 水曜日 晴
此日収容所に至り耕夫明朝出発の事に決し暇を告けて別る
此夕発車「リヨ」に帰る
熊本移民耕地に就を拒むものあり 三浦通訳官成川山林技師懇切説諭により漸く無事なるを得たり
九月三日 木曜日 晴
午前八時「リヨ」に着す 此日恰も煙火の初日に当る
公使夫人及伊丹少佐と下「リ」して在を往訪聖市の事情を具し館員派遣を謝す
煙火成績可也聊安慰する処あり
聖嘉坡発信
会社
松井 内山 土井 江藤
藤本 林 青柳 水嶋
奥山 山口 西村 留守
横井 博向 中村 広瀬
□郎 呉 種田 惇七
田道 御牧 井上弟 名方
森本 山村見習 大武 野田