米陸軍省情報部の日本人秘密軍事組織の情報

米陸軍省参謀部情報部長の報告。信頼できる情報として、サンパウロ市近郊に2万5千人以上の日本人の秘密軍事組織が存在するとしている。バストス産業組合理事長で退役陸軍大佐の脇山甚作が逮捕されたのは、この情報に基づくと思われる(岸本丘陽著『南米の戦野に孤立して』サンパウロ 1947)。 ブラジル駐在武官の宇都宮直賢も、その回想録で「サンパウロで日本陸軍大佐と名乗る人物が日系青年を糾合して不穏な動きをしているとの情報があるが、貴官とは関係ないか」と警察で取り調べをうけたと記している(『南十字星を望みつつ ―ブラジル・フィリピン勤務の思い出―』1981 p. 33)。ミッドウェー海戦勝利により米本土、パナマ運河への日本軍の脅威がなくなった後には、米軍内でのこのようなヒステリックの反応はなくなった。

画像『米陸軍省情報部の日本人秘密軍事組織の情報』