(『享保撰要類集』第91冊所収) 写 <814-5>
ケイズル(G. Keijser, 1697-1735)はハンブルク生まれの馬術師で、享保10年(1725)ペルシャ馬5頭とともに渡来、江戸城で吉宗らに西洋馬術を披露、幕府の御馬方に伝授した。その馬術、飼養法、馬医学などの教えは「計都流伝(けいずるでん)」などの名で伝えられた。『享保撰要類集』は「旧幕府引継書」の一つで、江戸町奉行所が執務のため編纂した法令先例集。この画像の文書はケイズルが馬で遠乗りの際、道筋を同心に警護させることを命じたもの。なお、彼は幕府からの下賜品に目をつけられ帰国の船中で殺されたともいわれる。