(封筒表)
古賀大佐に託す
朝鮮京城 斎藤実閣下
親展
(封筒裏)
東京 海軍省
山梨勝之進
五月一日
(本文)
其後不相変御壮健に
被在候事と拝察仕候
数日前竹下大将御帰
京御伝言感激の至に
有之候
軍縮の経過の内情に
関しては何卒古賀大佐
より詳細御聴取被下度
問題の本質頗る
機微にして小生としても
簡単に思上け難く
万事御高察を
仰き度候
帰朝の途にあらるる財
部大臣の立場之又至
難復雑を極め一本
調子に結論を導く事
容易ならず、慎重に
内外諸般の情勢、
国の立場、政府の立場
海軍の立場等各方面
より洞観点検するの
要有之其辺は何卒
総督閣下より打明
けて大臣にも然かるべく
御相談相手となり御力
添を仰き度又浜口
事務管理としても同様
の希望を有し居られ申候
先は如上御願迄謹て
御自愛を祈り申候
敬具
五月一日
山梨勝之進
斎藤閣下